3年かかって勝手につくった「豊永林業」ロゴマーク。
山の男たちはかっこいい。それは自分たちの職種から遠すぎるゆえの、はたまた「手に職」という言葉が似合うゆえの、憧れのようなものかもしれない。知り合って3年たってロゴを勝手につくった。依頼があったわけではないのですが、気がつけば作っていました。打ち合わせはいつも飲みの席か、山の中。なぜ、甚だお節介にも勝手にロゴをつくったのか。今回はそんな話を少しさせてください。
自分の代では完結できない生業、林業家
出逢いは3年前。彼らは日本の林業のはじまりの地である、奈良県吉野地域で林業を営む、豊永林業(ほうえいりんぎょう)。何回も膝を付き合わせて話し合い、吉野林業の未来や夢を語り合いました。近くを通るたび寄らせてもらって、ビールを飲みました。時には一緒に海外へ連れてってもらいました。ローカルにおいてのクリエイティブは、本質を導きだすまで時間が必要だし、寄り添って経過を見る必要があるため、本当にこうした時間は大切だと感じます。
林業は命をかける仕事です。機械化が進んだ昨今でも、山や木を相手にした仕事には危険がつきものです。仕事終わりに今日も生きてた!と、ほぼ毎日酒を飲むみたいです。昨今では珍しいそんな仕事でも、林業に携わりたいと若い人たちが夢を見る職業でもあります。なんと尊いものか。僕の知っている山の男たちは、みんな格好いい、男の中の漢(おとこ)です。
その根底には、漁業や農業と違って、自分の代ではお金に変えれない職業だということ。数十年前、百年以上前に植えてくれた木を、先祖の思いと一緒に伐っている。対して、今植えている杉やヒノキ、管理している山、丸太を山の麓まで下ろすためにつくっている道(林道)などは、自分達の世代ではなく、次の世代の人たちのために行なっていることです。それに対する誇りや、使命をもっているのでしょう。
僕らクリエイティブ業や飲食業などのサービス業はもちろん、製造業なども、この感覚を共にできる業種がどれほど少ないことか。
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